夏季休業(8/11〜8/20)に伴いまして、商品の発送は8月22日以降となります。

盆提灯について

お盆を迎えるにあたって

お盆とは

その成り立ちは諸説ありますが、中国から伝わった仏教の行事と日本に元からあった風習が混ざり合い、その後地域や宗教、宗派によって様々な変化を遂げ今日の在り方になったと考えられます。

現在広く認識されている意味合いとしては、ご先祖様や亡くなられたご家族の霊が自宅へ戻ってくる期間だとされており、特にご家族が亡くなられてから初めてお迎えするお盆は新盆や初盆と呼ばれ、お飾りやお供え物を厳かに行う地域/ご家庭が多いようです。
(新盆・初盆については、故人の四十九日が終わってから初めて迎えるお盆のことと言われて来ましたが、今日においてはご家庭ごとの考え方次第で前倒しに行うこともあるようです。)

時期は地域によって異なり、旧暦の日付を引き継いだ7月のお盆と、新暦により日付は異なりましたが時期を引き継いだ8月のお盆とに大きく分かれます。呼び方は様々あるようですが、当店では7月盆・8月盆と呼んでおります。

盆提灯の種類

盆提灯は大きく「置くタイプ」と「吊るすタイプ」に分けられますが、昨今の住宅環境の変化とともに様々な種類の盆提灯が出てきています。その中でも代表的な種類の名称と主な特徴は以下の通りです。

行灯(あんどん)

三本の脚を持つ代表的な置くタイプの盆提灯の一つ。提灯の火袋は絹や紙で作られており、一重のものと二重のものがあります。絵柄が入ったものもあれば、家紋を入れるものもあります。大内行灯と呼ばれる脚や枠が木製のものや、絵柄の入った筒状のフィルムを電球の熱で回転させる回転行灯などがあります。

住吉(すみよし)

筒状の形をした吊るすタイプの盆提灯の一つ。行灯と同じように火袋が絹や紙で出来ており、一重のものと二重のものがあります。同じく絵柄が入ったものや家紋を入れるものがあります。家名・戒名・御霊前などの文字を正面に入れる地域もあります。

御所・御殿丸(ごしょ・ごてんまる)

吊るすタイプの盆提灯。どちらも手や手板などと呼ばれる木製の部品から吊り下がっている提灯で、火袋の形状がそれぞれ異なります。新盆の際には白無地の御所を吊るす風習が多くの地域で見られます。

博多長(はかたなが)

上下が窄まった筒状で大型な盆提灯。大きいサイズだと直径60cm、高さ150cmを超えるものもあります。一般的には戒名や家紋を入れて使われます。地域によっては、左右に送り主の家紋と送られる家の家紋をそれぞれ入れたりもします。

門提灯(かどちょうちん)

主に玄関前に飾られる吊るすタイプの盆提灯。家紋や家名を入れて使われることが一般的ですが、戒名を入れて飾る地域もあります。

お迎え提灯(おむかえちょうちん)

主には、持ち手のついた弓張提灯という種類の提灯に家紋や家名を入れたものが一般的です。正面に家紋が入る場合や正面に家名、左右に家紋が入る場合など仕様は地域やご家庭により様々です。盆の入りと明けにお迎え提灯を持ってお墓参りをする風習が今でも見られる地域もあります。

よくある質問 Q&A

Q. 初めて新盆・初盆を迎えるのですが、何を準備すれば良いですか?

A. 一般的には、お盆用に祭壇を組むかお仏壇の周りを整理して、その上や周りにお供え物、お花、お盆提灯などを飾ります。香炉やおりんはお使いのものがあれば、必ずしも新しいものをご用意する必要はありません。お参りに来るお客様がいらっしゃる場合、お線香やローソクが切れないように準備し、お茶菓子や返礼品をご用意します。地域ごとに作法や相場が決まっている場合がありますので、事前にご確認することをお勧めします。
ただし、必ずこれがなければいけないという決まりはありませんので、それぞれの環境や考え方に応じて故人の霊をお迎えするご準備をすれば良いと私たちは考えています。

Q. お盆飾りはいつ頃から始めればいいのですか?

A. 地域やお寺などで決まりがない限り、お盆の入りまでにそれぞれのご都合に合わせて飾り始めて問題ありません。新盆(初盆)の場合、お盆中に都合の付かない方が直前の週末にお参りに来ることもありますので、それまでに飾ることをお勧めします。ただし、生花についてはお盆の入り、または入りの前日に準備することをお勧めします。

Q. 種類ごとの飾り方や使い方に決まりはありますか?

A. 様々な考え方がありますので、全てのお客様に共通した決まりごとはないに等しいです。お客様の地域、宗教、宗派などによって風習や慣例がある場合もありますので、事前にご確認することをお勧めします。しかし私たち稲葉屋は、何よりも「想い」が大切だと考えておりますので、お客様それぞれの飾り方・使い方で良いと思っております。詳しくは「稲葉屋の考えるお盆の在り方」をご覧ください。もし不安なことがありましたら当店までお気軽にご相談ください。

Q. 新盆(初盆)を迎える親戚や友人、知人に盆提灯を送っても良いでしょうか?

A. 良いと思います。盆提灯を送るということは、故人や送る相手への想いを形にする方法として古くから多くの地域で行われてきました。ただし、色や大きさなどそれぞれの考えや住宅環境がありますので、事前にお送り先とご相談することをお勧めします。また、家紋の入った提灯は当家(新盆・初盆をお迎えになる家)が通常ご用意するものですので、特に指定がない限りはそれ以外からお選びください。

Q. 関係性によって送るものは決まっていますか?どのようなものを送るべきですか?

A. 特に決まっていません。事前にお送り先とご相談をして決めることが最善だと思います。

Q. 薄い色の家紋を見たことがあります。どのような際に使うのですか?

A. 薄墨の家紋と言いまして、神道のお客様が選ばれることが多いです。ただし、最近では宗教・宗派に関係なくお選びになられるお客様もいらっしゃいます。また、手持ち用お迎え提灯の左右両側に家紋を入れる際、片方のみを薄墨にする地域もあります。これは江戸時代に手元側をより明るく照らすための名残などと聞くこともあります。当店ではご希望に応じて薄墨への変更も承っております。

Q. 提灯の一重と二重には、それぞれ違う意味がありますか?

A. 特にありません。絵柄や部品の色などと同じく、ご先祖様や故人を想ってお好みでお選びいただければと思います。

Q. 家紋が分かりません、どうしたら良いでしょうか?

A. 先ずは墓石や紋付袴をご確認ください。それでも分からない場合は、特に申請や決まり等はありませんので、ご自身の好みで選ぶ方や、新しく家紋を作られる方もいらっしゃいます。また、名字によって家紋の種類が大まかに分かれている傾向もありますので、家紋に関するウェブサイトなども合わせてご活用されてはいかがでしょうか。